グラフ旭川

佐野 智子さん

国際ソロプチミスト・ルンベル旭川 会長
旭川医師会看護専門学校非常勤講師

　昨年12月認証5周年記念事業で、札幌交響楽団員5名の出演によるチャリティーコンサートを開催し、350名余りのお客様をお招きすることができました。益金は旭川市のフィール7階に机と椅子、旭川育児院に図書を寄贈しました。この会を成功させようと会員はチケットを売り歩き、何回もの準備会をするなどすべて手作りでした。私にとっては、最近の出来事とはいえ、今後の「記憶の中の1ページ」に残る催しとなりました。
この会は、カルフォルニア州に本部を置く国際的な女性奉仕団体です。私が入会した動機は、定年後、社会との繋がりをなくさないため、奉仕の心と少しの時間で人との出会いを求めたからです。

49回　部下のライバル会社への転職は止められますか？

皆川弁護士の法律相談
旭川弁護士会所属弁護士　皆 川 岳 大

旭川総合法律事務所
旭川市3条通9丁目551-2（緑橋通）
TEL：0166-76-1087　FAX：0166-76-1187

[ 白水沢源頭の山・北鎮岳と凌雲岳 ]

第325回

動き出した白水沢地熱開発(その3)

大雪と石狩の自然を守る会
代表　寺　島　一　男

　北海道による白水沢の地熱開発計画の前に、にわかに現れた高い壁は、国立公園の壁だった。
　白水沢の調査が最終年を迎えた一九七二年三月、環境庁と通産省(いずれも当時)から、「国立公園および国定公園内における地熱発電開発に関する了解事項」なる通知が出された。
　環境庁と通産局間の覚え書きで、その骨子は、地熱発電について当面実施箇所を大沼〈後生掛〉(秋田)、松川(岩手)、鬼首(宮城)、八丁原(大分)、大岳(大分)、滝の上〈褐根田〉(岩手)の六地点とすること。
　実施にあたっては、「自然の保護と調整のはかり得る安定した新技術の開発に努めるよう指導する」ものとする。
　したがって当分の間、国立公園および国定公園内の景観および風致維持上支障あると認められる地域においては、新規の調査工事および開発を推進しないというものだった。
　有望な地熱資源の約八割が、国立・国定公園(以下国立公園と表記)の特別地域に含まれることから、もし地熱発電所の建設が各地で促進されることになれば、国立公園の表看板である景観・風致等への影響は避けられないとして出された規制だった。

（228）

画家　吉田　一雄

― メガネ ―

　赤や、青。青といっても一色でない淡いもの濃く透明なものと店をまちがえたのではと思うぐらいウィンドーケースに飾られている。色だけではないフレームの型が面白い。細長、定判の円型などはもちろんだが角ばったもの正方型、なかにはとてつもない変形型のものまで並べられている。
　新聞の活字が読みにくい。遠くのものがボヤケてくる。毎日の生活に不便さがあってメガネを用意したものだが今はそうでないらしい。
　同じく来店していた中年の女性は二つ三つと選んで買求めていた。どうみても化粧品か、洋服買いの感覚にしか見えてこない。

[ 春の花 ]

郷土史研究家　千田 稔

ピヤシリ河童由来 子供のキモを狙う河童(名寄市)

　名寄川と天塩川が合流する三角洲の一角にある明神子河童は命と暮らしを守る源をしっかり見張っている。
　昔、この地に住むアイヌにとって静かな広い居住地域だった。ある朝、突然川の水か枯れ、流れが途絶えた。そして数日後大きな岩石と枯木倒木が一挙に大量の濁流と一緒になって、居住地を襲った。何もかも失ったアイヌたちが見たのは一つの谷と二つの峰を横切っている巨大な生き物であった。長老は重々しく「あの洪水は生き物が寝返りしたときに流れ出したのだ。このまま黙って眠りつづけさせることしかない」。アイヌたちはあらゆる神に祈り続けたので、その祈りが神々に通じたので、巨大な生き物は眠り続け、長い年月が経った。

サンビレッジクリニック
旭川市神居2条18丁目　TEL：61−5500

院長　　林　　　敏

　はじめに
　今回の話題の麻薬というのは、巷を騒がしている合法ドラッグをはじめ違法な麻薬ではなく、医療用の麻薬の話だ。僕の麻薬、特にモルヒネとの出会いは1980年になる。大学を卒業した後、阿佐ヶ谷の河北総合病院へ就職して間もなく麻薬と出会った。受け持っていた癌の患者さんが持つがんの痛みで悩んでいた時、先輩が「ブロンプトントンカクテル」という妙薬を教えてくれた。
　一般的な処方は塩酸モルヒネ15�r、塩酸コカイン15�r、単シロップ○○ml、赤ワイン(好みに応じて白ワイン)○○ml：といった内容である。これを一日４〜５回に分けて服用する。ワインの種類や量は患者さんの嗜好やお酒の強さで決めていたのを思い出す。処方して数日後、患者さんの痛みは改善された。

第25回　長根忠人

第四章　スピリチュアル

(7)新たな修行
　井上恵子は川崎沙紀と友達になってから学校へ行くのが更に楽しくなった。
「沙紀ちゃん、おはよう！」
恵子が大声で声を掛けると、
「恵子ちゃん、おはよう！」
沙紀は笑顔で答えた。
「やったー！今日は私の勝ちー！」
恵子は飛び上がって喜んだ。二人は学校でお互いをどっちが先に見つけるか競争していた。
「恵子ちゃん、沙紀ちゃん、今日も元気ね！」
　担任の小川摩耶が笑顔で声を掛けてきた。
「摩耶先生、おはようございます！」
二人は同時に挨拶した。そして、
「あのネ、沙紀ちゃん。昨日ね…」
摩耶への挨拶もそこそこに、恵子は待ちきれずに昨日の話をしだした。沙紀も自分の話をしたくて、うずうずしていたが、恵子の話をニコニコして聞いていた。
「良かった、二人が明るくなって…」
　小川摩耶は二人を温かい眼差しで見詰めていた。何か影のある二人が、仲良くなり元気で過ごしているのにほっとしていた。

「沙紀ちゃん、夏休みはどうするの？」
「沙紀は、鎌倉のおばあちゃんのお家に出かけるの。海で泳いだり、おばあちゃんのお店の手伝いをするの」
　沙紀の母方の祖母は鎌倉でみやげ物屋を営んでいた。毎年夏休みには、３週間ほど遊びに行っていた。
「いいなー！」
恵子は羨ましそうに聞いていた。恵子には可愛がってくれる祖母は居なかった。

長根 忠人(ながね　ただと)
医学博士。
旭川市内でサクラ咲くクリニックを開業。
09年に上梓した医療ＳＦアクション小説『イプシスの刃』（文芸社）が好評発売中。
サクラ咲く ブログ（ http://sakurasaku-c.sblo.jp）
ご意見・ご感想お待ちしております。

【続きは本誌で】