グラフ旭川

第430回

サケの“揺りかごづくり”から

　師走に入った十四日、早朝から降り始めた雪は、晩秋の気配を見せていた旭川の街中を一挙に銀世界に変えた。
　いまにもこぼれ落ちそうなふかふかした雪が、公園や川筋の木々、街路樹の枝先まで埋め尽くして、その見事な造形に思わず目を見張った。
　根雪になるのでしょうかね、この日言葉を交わした多くの人が口にした。根雪は本格的な雪の季節を示す関心事だから、それも当然である。
　五年前（二〇一六年）の十月二十九日、旭川気象台は観測史上最も早い根雪（長期積雪）を観測した。もし今年のこの雪が根雪になれば、一カ月半も遅い到来となる。
　とはいえ、根雪初日は統計記録を見ると年々遅くなっており、今年が特別の年ではなさそうである。

ギャラリーシーズ 2022年企画展のご紹介 〜魅力あふれる作品が続々〜

　新年のお喜びを申し上げます。ギャラリーシーズは、ウィズコロナ、ポストコロナを見据え今年も感染防止対策を徹底しながら活動の幅を広げてまいります。本年もよろしくお願いいたします。
　さて、当ギャラリー2022年の企画展ラインナップをご紹介します。
　3月には恒例の「日本の心・富士と桜」展を開きます。桜を描いた絵画で北国にひと足早く春をお届けしたいと4年前から定期的に開催しています。

（10）整形外科医　そして詩人
　　 河邨文一郎さん

　昭和二十九年、全道規模のアンソロジー『北海道詩集』刊行の呼びかけは加藤愛夫、更科源蔵、鈴木政輝三発起人名で全道各詩誌に告げられた。その九月に『北海道詩集』第一号が刊行され、二年後の昭和三十一年七月、河邨文一郎さんの勤務する札幌医科大学講堂で北海道詩人協会設立総会が開かれ、北海道詩人協会が産声を上げた。
　当時河邨さんは三十八歳、整形外科医として多忙な時であったと思うが、忙しさの合間を縫って詩人協会の設立のために労を尽くした若手詩人であった。
　私の中では河邨文一郎という名は、詩人というより、流行したポリオの子供達のために真剣に取り組む整形外科医のイメージが強く浮かんでいた。子供達に向ける慈しみのまなざしや姿は報道を通して多くの人の目に映り、一度先生に診てもらいたいと遠くから駆け付けた人もいた。

旭岳温泉と天人峡温泉（前編）
〜旭岳登山に薄着は禁物〜

　私が北海道を離れていた8年の間に、天人峡温泉は旭岳温泉とは対照的にすっかり寂しくなっていました。とても残念です。札幌在住だった当時は、天人峡温泉に泊まって翌日は旭岳周辺を楽しむ機会も多くありました。