グラフ旭川

旭川弁護士会所属弁護士　皆 川 岳 大
旭川弁護士会所属弁護士　青 山 和 志

旭川総合法律事務所
旭川市3条通9丁目551-2（緑橋通）
TEL：0166-76-1087　FAX：0166-76-1187

第435回

カタクリは語る

　四月下旬、駆け込むようにして突哨山を訪れた。ゴールデンウイークが目の前にきていた。いつもの年ならまだ早いくらいのカタクリの開花が、すでに終わろうとしていた。
　今年の旭川は、珍しく積雪が少なかった。加えて日中に気温の上がる日が集中的に続いて、雪解けが思いもよらない早さで進んだ。
　この分では開花は早いぞと思いながら、関わっている様々な活動の会議やら行事が続いて、ほんの短時間でよいのにその時間が取れなかった。親しい人の不幸まで飛び込んできた。

第135回

第四章　スピリチュアル

（117）深まる謎
「……」
富士の裾野に在る、古い旅館『富士荘』の奥座敷に沈黙が流れていた。
「ふうちゃん…、どう?」
井上恵子は、座敷わらし・ふうちゃんを促した。
「う…む、不思議だ。この鈴は…」
ふうちゃんは、又黙り込んだ。
「どうなの?」
恵子は、少しイライラして先を促した。
「ああ、これは本物ではないだろうか…」
ふうちゃんは、呟く様に言った。
「ええ！本物なの?『心魂の鈴』なの?」
恵子は驚いた。
「ああ、かなり波動が高い。材料も日本には無いのでは?ただ……」
ふうちゃんは言い淀んだ。
「ただどうしたの?」
恵子は、聞き返した。
「これには、桔梗の念を強く感じる。ただ、見つかった場所が、東京の妙蓮舎近くの滝の奥にある祠と言う事。どうして、此処から遠く離れた所に有ったのか…。それに、これには宿主の心魂天が見当たらない…」
ふうちゃんは、不思議そうに語った。

ASAHIKAWA TERRACE BAる 旭川市5条通7丁目フードテラス1階 TEL：0166-73-7794 営／午前11時〜翌午前1時 　　ランチ 午前11時〜午後2時 休／月曜日

旭川市制100年に寄せて　歴史を紡ぎ未来へとつなぐ一年に

　今年で市制施行100年を迎える旭川市は、市が誕生した8月1日を「旭川市民の日」と定め、式典を開くほか、さまざまなイベントを計画していると発表しました。北海道音楽大行進や夏祭りは3年ぶりに開催されるほか、買物公園50周年もあり、街なかに賑わいが戻ってくることが期待されています。ほかにも「食べマルシェ」など人気イベントが目白押し、一年を通してふるさとの魅力を楽しめる年になりそうです。

（15）折鶴忌と原野忌

　詩誌「四季」の同人で堀辰雄に私淑していた詩人の日塔聰さんが札幌に来たのは、更科源蔵さんの紹介で、昭和二十八年七月のことだった。
　日塔さんは回覧雑誌と文具店を営んでおり、詩誌「野性」の若い詩人達は何かにつけて日塔宅に足を運び遅くまで語り合ったという。
　昭和三十二年頃から道立図書館を根拠に郷土史を研究し、『雄武町の歴史』『枝幸町史上巻』ほか郷土史関係の著書を出していったが、昭和五十年頃から、以前より患っていた肺結核が悪化して入退院を繰り返すようになった。
　昭和五十七年の五月頃、もうかなり悪いと聞き、面会は叶わないからせめて外から病室の窓だけでも見たいと、友人と一緒に札幌南区の簾舞の療養所を訪ねたが、それから間もなく一度も会うことなく、六月十一日に亡くなってしまった。

今行かなくちゃ！〜野付半島のトドワラ〜

　初めて口にしてから50年以上、今もたまに食べたくなる『かっぱえびせん』。そして、そのパッケージに描かれたエビの形たるや、地図で見る全長26kmの日本最大の砂嘴※・野付半島にそっくりです!
　4年程前に会社の同期から「妻と北海道に出かけるので、お薦めを教えてほしい」と聞かれたときに即答で紹介したのが、『まるでこの世の果て』と表現される野付半島のトドワラ(海水に浸食され風化し、立ち枯れたトドマツ林の跡)でした。

終戦と父の死

　やがて戦争は終わり、私は五歳になり、お正月を迎えた。
　その頃配給されてきた食べ物は、干し葡萄が多かったが、ご飯の代わりにはならない。
　配給のための手帳があって、家族の人数に合わせてきっちりと量られた。
　母は和裁が得意だったから、姉たちの着物を私の着物に直して着せてくれた。
　「あんたはいくつになったかわかる?」
　姉の愛子が着物を着せてくれながら、私に「五歳になったんだよ」
　と言った。