グラフ旭川

旭川弁護士会所属弁護士　皆 川 岳 大
旭川弁護士会所属弁護士　青 山 和 志

旭川総合法律事務所
旭川市3条通9丁目551-2（緑橋通）
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第438回

海への関心を

　初めて海を見たのは、九歳ころではなかったかと思う。学校の夏休み行事で増毛に海水浴へ行ったのである。
　大雪山の麓上川で生まれ育ったこともあって、海は遠い存在だった。戦後間もなくの頃だったから、農村は生活をするだけで精一杯で、いまのように家族で行楽を楽しむような機会もほとんどなかった。
　海を連想させるものといえば、当時たくさん獲れたニシンくらいであった。海から遠く離れた山村でも、行商が木箱に詰めたニシンを頻繁に売りに来た。
　いま思うと贅沢なことだと思うが、ニシンは毎日のように食卓に上がり、子どものおやつも軒先に干してつくられた身欠きニシンだった。

第138回

第四章　スピリチュアル

（120）新たな事実
　『富士荘』の食堂、井上恵子は幼馴染の三浦義人と久しぶりに会い、何故此処に来ているかを聞いた時、
「……」
驚いて言葉が出なかった。
「恵子ちゃんどうしたの？」
義人は、恵子の様子に只ならぬ気配を感じて尋ねた。
「『福寿会』…………」
恵子は、無意識に言葉が出た。
「そう『福寿会』があの洞窟を修行場にしていたようなんだ。ん?恵子ちゃん、『福寿会』を知っているの?」
義人は、恵子の反応に驚いた。
「ええ。まずは、義人君が話して。それから、私も話すわ」
恵子は、まず義人の話を全て聞いてから、話そうと思った。
「そう?分かった。何か知っているんだね。まず、僕の話をしよう。それから、恵子ちゃんの知っている事を教えてね」
義人は、そう言い、恵子の眼をじっと見て、ニコッと微笑んだ。
「まあ…」
恵子は、一瞬ドキっとしたが、心が落ち着いた。
「恵子ちゃんは、僕の先祖が鎌倉の有力御家人の三浦一族だった事は知っているね?」
恵子は無言で頷いた。
「僕は、あの洞窟での出来事は忘れていたんだ。昨年、綾乃ばあちゃんが、亡くなるまでね」

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世界が絶賛した浮世絵師―葛飾北斎

　日本人画家として世界中で最も知られている画家といえば葛飾北斎でしょう。その生涯は映画やTVドラマになっていますし、現在、日本人の4人に1人は持っているといわれるパスポートの査証ページには、北斎の代表作「富嶽三十六景」から24枚が掲載されています。今や世界中に日本を象徴するイメージとして北斎は広く知られているだけでなく、現在も絶大な人気があります。

（18）木原直さん―北海道文学史の生き字引

　最初に木原さんに会ったのは、いつ頃だったろうと考えてみると、かれこれ四十六、七年ほど前になるだろうか。
　私は北海道の詩誌・詩集を調べ始めていた頃で、北海道文学館はその格好の場であった。暇があると出向くうちに、当時事務局長だった木原さんと言葉を交わすようになった。話すほどに学ぶことが多く、真面目そのものの木原さんの前では、かしこまってお話を聞いていたものだった。
　やがて慣れてくると、いつしか文学好きの友人である土田恵子さんと共に展示作業にも携わるようになった。オープンの前日は、大通西十三丁目の旧文学館の一階から二階までを何十回も往復し、終わる頃にはサンダルを脱いで、はだしになったものだった。帰りが夜中になることもあり、そんな時は西村信さんが車でそれぞれの家に送り届けてくれた。

日本が沈没するなら……

　昨年、高視聴率だったテレビドラマ『日本沈没』。それが現実に起きるとしたら、皆さんは日本で最後に何をされますか？今の私なら、温泉を中心に楽しみます。
　もし数日の猶予があれば、色んな意味で多彩な顔を持つ別府温泉郷を選びますが、1泊なら迷わず登別温泉周辺に行きます。理由は温泉のデパートと言われるほど、世界的にも珍しい多くの泉質を楽しめるからです。

兄妹とは

　その後も兄は色々問題を起こしては警察沙汰になり、そのたびに警察から呼び出され、私は兄を引き取りに行かされた。
　兄妹の縁を切れるものなら切りたかった。
　事が起こる度に母に当てにされ、家を出たいと思ってもお金もなく、母も私しか頼れないので逃げることは出来なかった。

第二回　長月

　ここ道北でも、庭木として楽しめる「瓢箪木」の枝を生けました。赤い実が連なって実り、瓢箪のように見えることからこの名がつきました。