グラフ旭川

旭川弁護士会所属弁護士　皆 川 岳 大
旭川弁護士会所属弁護士　青 山 和 志

旭川総合法律事務所
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第441回

サケの季節

　サケの鼻の穴って四つあるの知っている？ううん、知らない。ほら見てごらん。この右と左にある二つずつある穴は、それぞれ一つにつながっていているんだ。どうして？ 泳いでいると前の穴から入った水が後の穴から出て行くようになっているんだ。穴の奥にニオイを嗅ぎ分ける装置(細胞)があって、自分の生まれた川のニオイが嗅ぎ分けられるんだって。ええっ！　犬の鼻よりずうーっとすぐれているらしいよ。
　退屈そうにサケの解体を見ていた子どもの目が、ようやく輝きはじめた。

第141回

第四章　スピリチュアル

（123）佇む祠
　『富士荘』の近く、郷土資料館の鬱蒼とした裏山の奥に目的の祠が現れた。井上恵子と三浦義人、彼の所属する郷土研究クラブの面々は、意外な佇まいに息を飲んだ。
「思ったより、立派と言うか…」
顧問の大久保保も驚いた。
「そうですね…。意外な程、それらしい趣きが有りますね」
部長の近藤勇も唸った。
「……」
恵子は、じっと祠を見詰めていた。
「恵子ちゃん…、何か感じた？」
恵子の様子を見ていた義人が声を掛けた。
「…分からない。でも、近くに感じるモノが有る…。義人君は、どう思う？」
恵子は、逆に質問を返した。
「うーん。残念ながら、僕には何も…」
義人は、顔をしかめた。それを見て、
「義人君。何か感じるのね？」
恵子は、探る様に尋ねた。
「…、何となく、頭の奥がぼーっとする」
義人は、周りを気にしながら答えた。
「……」
恵子は、黙って感じるモノを探した。
「ねえ、目的の祠に着いたんだから、早く中に入ってみようよ」
佐々木小次郎が、焦れて声を掛けた。
「うん。佐々木の言う通り。入ってみよう」
榎本修二が同意した。

カフェ オセロット 旭川市豊岡5条6丁目5の11 TEL：0166-74-5629 営／午前10時〜午後6時(LO午後5時) 休／水曜日

「青の詩人」上野憲男展に寄せて

　画家・上野憲男さん(天塩町出身、1932〜2021)の急逝を知ったのは昨年6月のことです。北海道アートの草分け的存在として活躍され、北海道美術に大きな影響を与えた上野さんを那須のアトリエに訪ねる予定でした。新型コロナウイルスが蔓延し、その影響が落ち着いてからと、話をしていた矢先のことでした。ご子息の透史さんによると心不全とのこと。秋には釧路市立美術での個展をひかえていました。もっと早くお会いすべきだったと後悔の念が胸を締め付けました。

（21）北海道詩人協会の詩人達

　旭川ではじめて北海道詩人協会総会と詩人の集いがあったのが、昭和三十二年六月十六日だった。前年発足したばかりで二度目の総会だった。
　前日、真久寺六角堂で前夜懇親会があり、旭川の会員が少なく、下村保太郎さんから二日間手伝いを頼まれて参加した。高校を卒業した年の十九歳の時で、北海道に住む詩人と名の付く人達との初めての出会いだった。しかし記憶に残っているのは更科源蔵さんだけで、皆それぞれ車座になり、更科さんがおもむろに広げたのがおにぎりと薄皮に包まれたホッケの開きを焼いたもので、談笑しながら手づかみで食べ始めたのには驚いた。

網走から知床まで(後編)〜ヒグマを求めて〜

　遭いたくないけど、遭いたい！
　具体的に言うと、無防備の状態でバッタリと遭遇したくはないけど、安全な状況で自然のヒグマに遭遇したい。それならばヒグマ密度の高い知床に行こうと言うことで、2011年7月にウトロ港から観光船へ(画像)。

自立へ向かう

「私を離婚してください。私はこの家を出ます」と宣言したのは四十歳の時。
　家族や親類はどうせ出来もしないことを言っているに過ぎない。すぐに帰ってくるだろうと高をくくっていたが、私は二度と戻らなかった。
　部屋は友達が一緒に探してくれて、家賃の安い少々不便な場所だが其処に落ち着いた。
　お金は多少貯めて居たのでまかなえた。
　私がやりたかったのは福祉の仕事で、秋期の神奈川県立女子福祉職業訓練学校募集に応募し、受験者は五十名ぐらいだったが、受かったのは三十三名ぐらいだったと思う。

第五回　師走

　トルコキキョウは、日本で盛んに品種改良されてきた花の一種。今回は、黄緑からクリーム、ピンクへと色が移ろう珍しい一輪を選びました。フリルのドレスを思わせるフリンジ咲きが、師走を豪華に彩ります。