グラフ旭川

第457回

新たな国立公園誕生に向けて

　道内に国内最大の国立公園が誕生しようとしている。『日高山脈国立公園』（総面積二四万五六六八ヘクタール）だ。カギ括弧をつけたのは、まだ正式名称が決定していないから。
　いかに大きいかは、現在、最大の大雪山国立公園二二万六七六四ヘクタール（ほぼ沖縄県の面積に匹敵）を、一万八〇〇〇ヘクタール以上も上回ることから容易に想像できる。
　指定は春から夏にかけてと目されているが、誕生すると国内では二〇一七年三月に指定された奄美群島国立公園に次いで、三十五番目の国立公園となる。道内では一九八七年七月の釧路湿原国立公園以来、実に三十三年ぶりの七ヵ所目の誕生となる。

第157回

第四章　スピリチュアル

（139）進むべき道標
「急ぐんだ、恵子ちゃん！」
三浦義人は、井上恵子の腕を掴み、崩れる天井を避けて階段を上った。
「……」
恵子は、黙って、階段を上った。
「出口はまだか！」
義人は、焦りながらも恵子の手を離さず、走った。
「……」
恵子も、黙って走り続けた。
「よし。出口だ！」
義人は、光が差し込む出口を見つけて安堵した。
「恵子ちゃん、後少しだ。頑張って！」
義人は、最後の気力を引絞って、恵子を励ました。
「たーっ！」
義人は、掛け声と共に、恵子を抱えて出口から跳び出した。
ドガガガーン。轟音と共に祠が崩れた。
「二人とも大丈夫かい？」
倒れ込んだ義人、恵子に『精珀』の精霊・恕珀が声を掛けた。
「ああ、大丈夫だよ。恕珀、助かったよ」
義人は、二人の上に倒れ込んで来た折れた大木を支えて居た恕珀に感謝した。

旭川ゆかりのグラフィックデザイナー・版画家 「遠藤享 追悼展」に寄せて

　日本を代表するグラフィックデザイナーで旭川ゆかりの版画家・遠藤享さん（90歳）の追悼展が３月９、10の両日、東京銀座の画廊で開催されました。昨夏７月の道立旭川美術館とギャラリーシーズの個展に合わせて旭川を訪れる前日に体調を崩され、入院加療中でしたが惜しくも２月10日に逝去されました。脳膿瘍でした。全国各地から多くの美術家や絵画ファンが会場を訪れ、遠藤さんの在りし日を偲んでいました。

知る人ぞ知る温泉天国県！

　温泉ランキングや知名度は低いのですが、是非お勧めしたい温泉県があります。山陰地方の東西に細長い島根県です！実は県内のほぼ全域で温泉が湧き出ており、温泉地の数は、なんと約60カ所！そこで2泊３日で巡る（離島の隠岐エリアを除く）旅を企画してみました。

旭川郷土史ライター＆語り部
那須 敦志

カフェー・ヤマニの変遷

　かつての旭川には、たくさんのおしゃれな建物がありました。なかでも私のお気に入りなのが、４条師団通（今の４条買物公園）にあったカフェーの名店、ヤマニです（カフェーといっても、和服にエプロン姿の女給さんがいたかつてのカフェーです）。

第９回　「青年像」
作者／新田実（１９６１年作）ブロンズ
場所／旭川市役所前（６条通９丁目）

　旧レンガ庁舎前の広場に、庁舎と向かい合うように「青年像」が設置されています。作家は新田実、旭川師範学校卒業後、東京美術学校で学び、人体像等の作品を発表した旭川にゆかりのある作家です。